AWS SnowconeはAWS Snow Familyで提供されるデバイスの一つ
AWS Snowconeは、コンパクトでポータブルなエッジコンピューティングデバイスです。データを収集したり、処理したり、転送するために使用することができます。
AWS Snowconeを使用するには、まずAWSマネジメントコンソールからデバイスをリージョン内のデータセンターに配送する必要があります。デバイスが到着したら、電源を入れて、インターネットに接続します。次に、AWS Management Consoleを使用して、Snowconeを初期化します。初期化プロセスでは、Snowconeに必要な設定を行います。
デバイスを使用するには、Snowconeにジョブを送信します。ジョブは、Snowconeで実行するタスクを定義したスクリプトです。スクリプトを作成するには、Snowcone用のSDKを使用するか、AWS Management Consoleから手動で作成することができます。
Snowconeでジョブを実行すると、デバイスは指定されたタスクを実行し、結果をAWSに転送します。結果は、AWS上のデータストアや他のサービスに保存することができます。
AWS Snow Familyのその他のデバイス AWS SnowballとSnowballEdge
AWS Snow Familyは元々大容量のデータをオフライン転送するための専用デバイスとして提供され、最初にAWS Snowball、その後Snowball Edge、 AWS Snowmobile、AWS Snowconeといったデバイス が提供されています。
AWS Snowball
AWS Snowballは、AWSのエッジコンピューティングデバイスの1つです。Snowballを使用することで、大量のデータを高速かつ安全にAWSクラウドに転送することができます。
Snowballは、物理的なデバイスとして提供されます。データを転送するには、Snowballデバイスをお手元に配送し、データをデバイスに転送します。その後、SnowballデバイスをAWSのデータセンターに送り返すことで、データをAWSクラウドに転送することができます。
Snowballを使用すると、データ転送にかかる時間が大幅に短縮されます。また、Snowballは、データ転送中に暗号化されるため、データを転送する途中でのデータの漏洩や改ざんを防ぐことができます。
Snowballは、さまざまなデータ転送シナリオで使用することができます。例えば、オンプレミスのデータセンターからAWSクラウドにデータを移行する場合や、データをバックアップする場合などに使用することができます。
AWS Snowball Edgeは、AWSのエッジコンピューティングデバイスの1つです。Snowball Edgeは、Snowballと同様に、大量のデータを高速かつ安全にAWSクラウドに転送することができますが、Snowball Edgeは、データを転送するだけでなく、データを処理することもできるため、より柔軟な使い方ができます。
Snowball Edge
Snowball Edgeは、物理的なデバイスとして提供されます。データを転送するには、Snowball Edgeデバイスをお手元に配送し、データをデバイスに転送します。その後、Snowball EdgeデバイスをAWSのデータセンターに送り返すことで、データをAWSクラウドに転送することができます。
Snowball Edgeでは、Lambda関数を使用して、デバイス上でデータを処理することができます。Lambda関数を使用することで、データを集計したり、変換したりすることができます。
Snowball Edgeは、オンプレミスの環境でも使用することができます。例えば、現地でデータを処理してから、AWSクラウドに転送するといった使い方ができます。
Snowball Edgeを使用すると、データ転送にかかる時間が大幅に短縮されます。また、Snowball Edgeは、データ転送中に暗号化されるため、データを転送する途中でのデータの漏洩や改ざんを防ぐことができます。
そしてSnow Familyの用途もオフラインデータ転送だけではなくエッジデバイスとして使うシナリオも増えています。
(https://aws.amazon.com/jp/snow/ より)
Snowconeの基本仕様
現在、SnowconeはストレージがHDDのAWS SnowconeとストレージがSSDのAWS Snowcone SSDと2モデル存在します。
この2モデルはストレージ以外は同一スペックとなっています。
項目 | 内容 | 備考 |
サイズ | 227 mm x 148.6 mm x 82.65 mm | |
重量 | Snowcone : 2.1 kg
Snowcone SSD : 1.81 kg |
|
CPU | 2 | vCPU |
メモリ | 4GB | |
ストレージ | Snowcone : 8TB HDD
Snowcone SSD : 14TB SSD |
|
ネットワーク | 1GB/10GB RJ45 x 2 | 1GB/10GBでネゴシエーション可能
ネットワークケーブルは別途ユーザーが用意 (CAT6以上) |
電源 | バッテリー駆動 | 電源ケーブルは別途ユーザーが用意 (定格45W以上USB-C接続) |
さらに極めて特徴的な点としてSnowconeはバッテリー駆動ですが製品に電源ケーブルは付属しません。
電源ケーブルはユーザーが自前で用意する必要があり、定格45W以上でUSB Type-C接続できるケーブルが必要です。
余ったノートパソコン用電源ケーブルを流用することになります。
Snowconeの利用料金
基本的にはデバイスが到着してから返却するまでの利用日数に応じた料金がかかります。
加えてデバイスがAWSのサービスを利用する場合はその利用量(主にデータ転送量)に応じた金額が発生します。
内容 | AWS Snowcone | AWS Snowcone SSD | 備考 |
ジョブ1件当たりのサービス料 | 60 USD | 150 USD | 1ジョブ≒1注文
5日間の利用費込み |
1日当たりの利用費 | 6 USD/day | 15 USD/day | |
ロストフィー(損耗費) | 2000 USD | 5000 USD | 紛失、破損はしないようにしよう |
配送料 | 調査中 | 調査中 | 国により異なる |
Snowconeの利用シナリオ
本日時点でSnowconeには大きく3つの利用シナリオが存在します。
シナリオ1. NFSストレージとしての利用
Snowconeで提供される8TB(Snowcone SSDの場合は14TB)のストレージをNFSサーバーとして利用しオンプレ環境などのデータを収集、AWSへデバイスを返却後ストレージ内のデータをS3にロードするデータ転送デバイスとしての利用です。
シナリオ2. DataSync Agentとしての利用
次にSnowconeをDataSync Agentとして利用しAWS環境とオンラインでデータ転送を行います。
DataSync Agentとして使う場合Snowconeはデータの送信元、受信先、どちらとしても利用可能です。
DataSync AgentはAMIの形でプリセットされ、デバイスの初期設定時に仮想マシン(EC2)の形でセットアップすされます。
シナリオ3. 汎用エッジデバイスとしての利用
Snowconeにユーザーが独自にカスタマイズしたAMI をプリセットする形でデバイスを注文し、ユーザー独自のEC2をデバイス上で利用することもできます。
また、AWS IoT Greengrassデバイスとしての利用もサポートされています。
ジョブの選択と複合シナリオについて
Snowconeデバイスで利用可能な機能と併せてデバイスの注文方法も利用シナリオに影響します。
Snow Familyではデバイスの注文から返却までの一連のフローを「ジョブ」という形で定義します。
本日時点でSnowconeで選択可能なジョブは以下の2つとなります。
- 「Amazon S3へのインポート」ジョブ
- 「ローカルコンピューティングとストレージのみ」
「Amazon S3へのインポート」ジョブでは予めAWSにより8TB(or 14TB)のストレージがデータ転送用に設定されたうえでデバイスが送られてきます。デバイス返却後にこの領域のデータをS3にロードします。
対して「ローカルコンピューティングとストレージのみ」ジョブではストレージをユーザーが自由に利用できる形でデバイスが送られ、デバイス返却後はS3へのデータロードは無くデータの消去処理のみ実施されます。
Snowconeデバイスで使える各機能(EC2)が消費するリソースは以下の様に記載されています。
種別/インスタンスタイプ | vCPU | Memory | 同等タイプ | 備考 |
Preloaded NFS Client | 1 | 1GB | t2.micro | Amazon S3へのインポート ジョブでのみ利用可能 |
Preloaded DataSync Agent | 2 | 4GB | t2.medium | |
snc1.micro | 1 | 1GB | t2.micro | 最大2インスタンス |
snc1.small | 1 | 2GB | t2.small | 最大2インスタンス |
snc1.medium | 2 | 4GB | t2.medium | 最大1インスタンス |
これらの機能をデバイスの最大(2vCPU, 4GB Memory)を超えない限り組み合わせることができる様で、例えば下図の様なNFSサーバーとEC2の組み合わせも可能なのではないかと思われます。
AWS Snowconeのドキュメントは、AWSのWebサイトで公開されています。以下のリンクからドキュメントをご覧いただけます。
AWS Snowcone documentation: https://aws.amazon.com/documentation/snowcone/
AWS Snowconeの使い方や、Snowconeで実行できるタスクやプログラムの記述方法などが記載されています。