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MQL5.comでのEA出品のための実用ガイド: 登録から販売まで

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MQL5.comは、世界中のトレーダーとプログラマーが自動売買プログラム、特にメタトレーダープラットフォーム用のエキスパートアドバイザー(EA)を販売、購入できるグローバルなマーケットプレイスです。このプラットフォームを利用することで、個人開発者も自らのトレーディングツールを世界中のユーザーに提供することが可能になります。しかし、出品プロセスにはいくつかの厳格なルールが存在し、これらを知っていないと、突破することは難しいです。私も苦労し、かなり時間を使いました。知っているだけで、出品がスムーズにいきますので、ぜひ最後まで読んでください。

私のMQLページもご参照ください。

この記事は、以下のような方々に向けて書かれています:

  • EAを自身で開発されている方
  • EAをオンラインで販売しようと考えている方

出品に際しては、MQL5.comの公式サイトに掲載されている手順に従う必要がありますが、その手順だけではなく、実際の出品経験から得られた洞察や注意点についてもこの記事で解説していきます。

目次

1. 販売者登録の手続き

MQL5.comでEAを販売するためには、まずは正式な販売者として登録する必要があります。ここでは、その登録プロセスに必要な詳細を解説します。

実名登録

MQL5.comでは、全ての販売者が自分の本名で登録する必要があります。これは、透明性と信頼性を確保するためです。登録時には、以下の書類が要求されます:

  • 有効な身分証明書(パスポートや運転免許証など)
  • 身分証明書と一緒に写ったセルフィー写真(スキャン画像は不可)

これらの写真は高品質である必要があり、書類の全体と個人情報がはっきりと識別できるものでなければなりません。また、ニックネームやハンドルネームの使用は認められていません。

法人としての登録

個人だけでなく、法人としてEAを販売することも可能です。この場合、企業の登録証明書や事業運営許可証を提出する必要があります。法人登録を行うことで、ビジネスとしての販売活動が認められ、企業の信頼性も向上します。

登録後の名前は変更できないが、訂正はしてもらえる

一度登録を完了すると、販売者名は基本的に変更することができません。これにより、一貫性と説明責任が保たれますが、名前に誤りがある場合は、すぐにサポートチームに連絡する必要があります。名前が自動的に読み取られるシステムのため、意図しない名前が登録されることがありますので、登録情報は慎重に確認してください。私も意図しない名前だったので、サポートチームに連絡して、直してもらえました。

MQL5サポートチームに連絡の仕方

「メールで連絡したい」と思いましたが、載っていませんよね。あとで書きますが、何か問題があった場合、基本的には、コミュニティで解決するように求められます。どうしても直接、といった場合は、AIチャットから、メッセージを送ってもらいます。

トップページの一番下、連絡先をクリックします。

そこからさらに問い合わせリンクをクリックすると、チャットが開きます。これはAI BOTで、意図しない質問には、何も答えてくれません。

選択肢で、選べそうなものをクリックしていくと、Ask a questiomという選択肢が出てきます。
「Type your message」に問い合わせ内容を入力します。

私の場合は、「名前の表示が間違っているので、「Haruki Teranakaに変えてほしい」と依頼しました。

すぐに修正してもらえましたが、「こちらの窓口では、MQL5.comから購入できる金融業務に関する問題のみを扱っております。」と記されていました。それ以外の不明点がある場合は、フォーラムでご質問ください。」ということでした。あとで記述しますが、基本塩対応です。

2. EA名のルール

MQL5.comでEAを出品する際、製品名の選定は非常に重要です。製品名は、そのEAの第一印象を形成し、潜在的な購入者の興味を引くキーポイントとなります。しかし、製品名を決定するにあたり、いくつかの規則と制限があります。ここでは、それらのルールを明確にして、効果的な製品名の作成方法をご紹介します。

大文字の使用制限

MQL5.comでは、製品名に大文字のみを使用することは許可されていません。これは、過度にアグレッシブな印象を避け、サイト全体の一貫性を保つためです。大文字を使用する際は、通常の文法規則に従って適切に組み合わせることが求められます。例えば、「SUPER PROFIT EA」ではなく、「Super Profit EA」とするべきです。

誇大広告を避ける

製品名には、不適切な誇大広告や不確かな約束を含めるべきではありません。たとえば、「100% Profit Guarantee」や「No-Risk Trading」のような言葉は避けるべきです。これらの表現は誤解を招く可能性があり、購入者に誤った期待を持たせることにつながります。

意味のある名前を選ぶ

製品名は、EAの機能や特性を反映したものである必要があります。抽象的すぎる名前や関連性のない名前ではなく、EAがどのようなトレーディング戦略に基づいているのか、どのような市場で最適化されているのかといった情報を伝える名前を選ぶことが推奨されます。

一貫性のあるブランディング

製品名は、あなたの他の製品と一貫性を持たせることで、ブランド認識を高めることができます。たとえば、同じトレーディング戦略を複数の市場で適用している場合、製品名の前半を共通にして、後半で市場を区別する方法が考えられます(例:「Quantum EUR/USD」「Quantum GBP/JPY」)。

3. バージョン番号の管理

バージョン番号は、EAがどの段階にあるかを示す重要な指標であり、出品時にはその設定が必須です。適切なバージョン番号の管理は、製品の更新とサポートを行う上で不可欠です。ここでは、MQL5.comでのEA出品におけるバージョン番号の設定と更新の基準について説明します。

バージョン番号の基本ルール

  • 初期バージョン設定: 初めて製品をアップロードする際は、必ず「1.00」という形式でバージョン番号を設定する必要があります。これは、製品が市場に新しく導入されることを示します。
  • バージョンの更新: 製品を更新する際には、バージョン番号を逐一アップデートする必要があります。主要な機能追加や改善があった場合はメジャーバージョンを、小さなバグ修正や微調整の場合はマイナーバージョンを上げます(例:1.01, 1.02, 2.00)。

バージョン番号の重要性

適切なバージョン番号の管理は、ユーザーが最新の更新を把握し、必要に応じて製品をアップデートするために役立ちます。また、サポートを求める際にも、どのバージョンのEAに問題があるのか明確にするために重要です。

コード内でのバージョン番号の設定

MQL5コード内でバージョン番号を設定するには、#property version ディレクティブを使用します。このディレクティブは、コンパイルされたプログラムファイル内にバージョン情報を埋め込むために使用されます。

#property version "1.00"

4. 自動検証システム

MQL5.comにEAをアップロードすると、自動チェックシステムによる検証が行われます。このプロセスは、出品されたEAが基本的な品質基準を満たしていることを確認し、ユーザーに対して安全で信頼性の高い製品を提供するために設計されています。検証中によく見られる問題点を解説します。

自動検証の範囲

  • 基本動作チェック:アップロードされたEAは、システムによって異なる市場条件と時間枠でテストされます。これには、EAが取引操作を正常に実行できるか、及び一般的なエラー(ゼロ除算、メモリリークなど)がないかを確認することが含まれます。
  • コードの安全性評価:プログラムが過剰なリソースを消費したり、予期せぬ挙動を示したりしないようにチェックされます。これは、EAがユーザーの取引環境に悪影響を与えないようにするためです。

よくある問題と対策

  • 取引条件の未設定: EAが特定の通貨ペアや時間枠でのみ機能するよう設計されている場合、自動チェックではその制限が問題となることがあります。すべての市場条件で適切に機能するよう、EAの柔軟性を高めることが重要です。
  • エラーハンドリングの欠如: EAが予期せぬ市場状況やデータ入力に対して適切に反応しない場合、自動チェックで失敗する可能性があります。例外処理やエラーハンドリングのロジックをしっかりと組み込むことで、この問題を避けることができます。

チェックに合格するために

  • 広範囲のテスト実施: 自分でEAを多くの異なる条件下でテストすることで、自動チェック中に発生可能な問題を事前に発見し、修正することができます。
  • 性能と安全性のバランス: 高速かつ効率的なトレーディングロジックを目指しつつ、セキュリティと安全性も確保することが重要です。

5. フォワードテストの不在

MQL5.comにおいては、EAの販売ページで公式のフォワードテスト成績を公開することはありません。これには特定の理由があり、開発者と購入者双方がこの事実を理解し、適切に対応する必要があります。この章では、フォワードテストデータの不在が販売と購入の両側にどのような影響を及ぼすかを掘り下げます。

フォワードテストデータの重要性

フォワードテストは、EAが実際の市場条件下でどのように機能するかを示す重要な指標です。バックテストと異なり、フォワードテストでは過去のデータではなく、リアルタイムのデータを使用してEAの性能を評価します。これにより、EAの将来的なパフォーマンスのより現実的な予測が可能になります。

MQL5.comでのフォワードテストデータの扱い

  • デモ版の提供: MQL5.comでは、各EAの販売ページから無料のデモ版をダウンロードできます。これにより、ユーザーは自身のトレーディング環境でEAをバックテストし、一定のフォワードテストを自行で実施することができます。
  • 購入者レビューの役割: 公式のフォワードデータが提供されないため、購入検討者は他のユーザーのレビューや評価を重視することになります。これにより、コミュニティのフィードバックが購入判断の重要な要素となっています。

開発者としての対応

  • 透明性の確保: 開発者は、自分のEAがどのように機能するかについて透明であるべきです。これには、独自のフォワードテストデータや過去のパフォーマンスログを提供することが含まれる場合があります。
  • ユーザーへの教育: 購入者が自分でデモ版を試し、独自にフォワードテストを行うよう促すことが重要です。このプロセスを通じて、購入者はEAの実際の動作を理解しやすくなります。

6. サポートが塩対応

MQL5.comでEAを販売する際には、プラットフォームのサポート体制についても理解しておく必要があります。多くのユーザーが経験する「塩対応」、つまり非常に簡潔であまり役に立たないサポートの対応は、販売者として適切な期待を持つために重要な情報です。この章では、サポート体制の実態と、それに対処する方法を紹介します。

サポートの実態

  • チャットボット主導の対応: MQL5.comでは、サポートは主に自動化されたチャットボットによって提供されます。このシステムは基本的な問い合わせには対応しますが、複雑な問題や特定の要求には柔軟に対応できないことが多いです。
  • 制限された対応内容: ユーザーが遭遇する問題の多くに対して、サポートからは「できません」という短い回答が返されることが一般的です。特に、EA名の変更やその他の登録情報の修正依頼に関しては、プラットフォームのポリシーにより対応が困難な場合があります。

対処方法

  • 事前情報の収集: 問題に直面する前に、可能な限り多くの情報を収集しておくことが重要です。MQL5.comのコミュニティフォーラムやFAQセクションで、他のユーザーの経験や解決策を調べることが役立ちます。
  • 自己解決の努力: サポートが期待に応えられない場合、自分で問題を解決する方法を探ることが必要です。これには、コードのデバッグ、同様の問題に対処した他の開発者のアドバイスの参照などが含まれます。

まとめ

MQL5.comでのEA出品は、世界中のトレーダーに対して自作のトレーディングツールを提供する絶好の機会です。しかし、このプラットフォームを最大限に活用するためには、特定のガイドラインとプロセスを理解し、適切に対応することが求められます。

キーポイントの再確認

  • 販売者登録: 実名を使用し、必要書類を提出すること。
  • EA名の選定: 誇大広告を避け、意味のある名前を設定する。
  • バージョン番号の管理: 初期バージョンから適切に番号を更新する。
  • 自動チェックシステム: 品質基準に適合するEAの提供。
  • フォワードテストの不在: デモ版を通じた自己評価の奨励。
  • サポート体制: 限定的なサポートに適切に対応し、自己解決のスキルを身につける。

最後に

MQL5.comは、そのグローバルなリーチと包括的なサービスにより、EA開発者にとって価値のあるプラットフォームです。登録から出品、サポートまで、各ステップで適切な準備と理解を行うことが成功への道となります。

この記事が、EAを開発し、販売する過程で直面するかもしれない課題への洞察と解決策を提供し、皆様の助けとなれば幸いです。

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