深夜、突然スマホが振動し、「非通知」からのワンギリ着信が残されていたら、あなたはどう思うでしょうか? 出る前に切れる意味不明な着信、そして1分通話するだけで5,000円以上もの高額料金がかかる国際電話詐欺まで、近年、電話を悪用した手口が多発しています。今回は、非通知ワンギリの裏に潜む目的や、国際電話を利用した巧妙な詐欺手口を詳しく解説します。被害に巻き込まれないための対策もあわせてご紹介しますので、ぜひ最後までお読みください。
目次
深夜にかかる「非通知ワンギリ」の目的とは?
非通知のワンギリ着信は、単なる「迷惑行為」では終わりません。実は、そこには複数の狙いが存在します。
- 支払い能力チェック
カード会社や金融機関の委託を受けた信託会社などが、顧客の「生存確認」や「支払い能力」を確かめるために、深夜帯に一瞬だけ電話をかけてくるケースがあります。電話回線が止まっていない=最低限の支払いは続けられていると判断できるからです。
深夜にかけるのは、受話者が寝ていてほぼ出ない時間を狙うことで通話料の発生を防ぎつつリスト確認を行うためと考えられています。
もちろん、気味が悪く、迷惑極まりない行為ですが、このケースにおいて個人情報が即危険な状態にさらされることは比較的少ないといえます。 - 「生きた」電話番号リストの収集
次に考えられるのは、「生きた番号」を集めるリスト屋による行為です。
無作為に電話をかけ、「繋がった=現行で使われている番号」、「繋がらない=死んだ番号」、「支払いが滞っている=お金に困っている可能性が高い番号」というように仕分けし、そのリストを高値で転売するのです。
これらのリストは、テレアポ営業や闇金業者、さらには「ダークウェブ」で犯罪グループに売買され、日本で起こる特殊詐欺や強盗計画の下地になることも。
個人情報流出は、思わぬ事件に巻き込まれるリスクを孕んでおり、極めて危険です。
1分5,000円!? 国際電話詐欺の恐ろしい手口
次に深刻な問題となっているのが、国際電話を悪用した「折り返し詐欺」です。050番号(IP電話)からの詐欺は本人確認義務化後に減少傾向にありますが、代わって増え始めたのが「プラス」から始まる国際電話です。
なぜ国際電話は危険なのか?
- ワンギリ折り返し詐欺:
海外からの着信に「何だろう?」と好奇心で折り返すと、1分あたり5,000円超えの通話料が発生するケースがあります。
犯人たちは、A国→B国→C国と複数の国を中継させることで中継料金を上乗せし、さらには「プレミアムレートナンバー」と呼ばれる高額課金の電話番号を経由させます。これによって被害者は知らず知らずのうちに高額料金を請求されるのです。 - 気づくのは翌月以降:
請求書が届くまで被害に気づかないケースがほとんど。何気なく折り返した一瞬の油断が、数万円から数十万円もの損失につながりかねません。
対策
- プラス(+)が付く海外番号は「折り返さない」
- 不審な番号からの着信には即反応せず、ネットで調べるか無視しましょう。
電話番号のなりすまし手口
驚くべきことに、電話番号は簡単に偽装が可能です。VoIPやインターネット電話、さらには特定のPBX機器やスマホアプリを使えば、好きな番号を発信元として表示させることができます。
悪用例:警察署番号へのなりすまし
実在する警察署の番号(末尾が0110になることが多い)を偽装し、警察官を装った詐欺が横行しています。
- 手口の一例:
「大規模詐欺事件で逮捕者が出たが、あなたの口座が利用されていた。事情聴取前に口座凍結を防ぐために、 ‘警察管理’ の口座へ資金を移して欲しい」
もちろん、警察が電話でお金の移動を要求することは絶対にありません。
この手口により、実際に数千万円を騙し取られる事件も発生しています。
対策
- 「警察署」を名乗る電話でお金を要求されたら即切る。
- 自分で警察署の番号を調べ、正規の窓口に折り返すことで確認する。
まとめ:疑わしい電話は「無視」と「確認」の徹底を!
深夜の非通知ワンギリや、プラス記号が付く国際番号からの着信、さらになりすまし番号による詐欺など、電話にまつわる犯罪手口は年々巧妙化しています。重要なのは、安易に折り返さないこと。怪しいと感じたら、正規の問い合わせ先を自ら調べて確認することで、被害を未然に防げます。
被害を避けるためのポイント
- 非通知やプラス番号からの不審な着信は無視
- 海外番号にはまず折り返さない
- 警察や金融機関を名乗る電話は一度切り、正規の番号へ自分で問い合わせる
今回の記事が、被害防止の一助となれば幸いです。ぜひ周囲にもこの情報を共有し、深夜に忍び寄る悪質な電話犯罪から身を守ってください。