これからの時代に必要不可欠となる「脱マウス」の仕事術

本投稿は、単なるショートカットキーのまとめ本・単純暗記の推奨ではありません。

まとめであれば、インターネットの検索で十分です。本書は、「脱マウス」までのステップを体系化し、その最短経路をまとめた教材です。

私は、ホワイトカラーの働き方改革は「指の動き方改革」があってこそだと考えています。この「指の動き方改革」に、最大の恩恵をもたらす「脱マウス」に到達するためのノウハウをレクチャーしてきました。その中で「脱マウス」をすぐに挫折してまう人と、一定レベルまで成功している人の分岐点を突き止めました。

それは、キーボードのキー自体への理解です。

暗記しているショートカットキーの数が分岐点だと思っている人も多いのではないでしょうか。実は、私自身も社会人になった当初は、ショートカットキーの丸暗記型&つめこみ式学習を行った人間でした。しかし、いま振り返ると、これは残念ながら遠回りをしていたと言わざるを得ません。

では、キーボードのキー自体への理解とは何を指すのでしょうか?

最近の小型ノートPCには約90個のキーが搭載されています。このキーボードの中のキーの役割を1つ1つ説明できるでしょうか? いくつかのキーにはマークが印字されていますが、その意味を人に教えることができるでしょうか? 実際にそれができる人は、あまり多くはないと思います。

一方、ピアノではどうでしょうか。ピアノは初級者だとしても、キー(鍵盤)の役割は一通り説明ができるはずです。これは、ピアノでは学習のスタート時に、まず1つ1つのキー(鍵盤)から理解を進めるからです。いきなり、キーを組み合わせて奏でる「和音」の暗記から入るケースはないでしょう。PCも同じだと考えてください。ショートカットキーは「キーとキーの組み合わせ」で構成されているものが大半です。その組み合わせのベースとなる1つ1つのキーの音色を理解して初めて、組み合わせである「和音=ショートカットキー」を奏でることが可能になります。

ですから、キーの1つ1つの特徴やルールを丁寧に学ぶことこそが、脱マウスに向けた必須通過点であり、分岐点になるのです。

実は、脱マウスは、2週間程度で習得が可能です。本教材は、脱マウスに向けたノウハウを網羅しています。脱マウスに成功すれば、大きくは以下の2つのメリットがあります。

① PC作業時の生産性が圧倒的に向上する(時短)

②マウスが置きづらい場所でもストレスなく作業ができる

①については、予想を超える差がでます。

最低でも数倍、最大で24倍ものスピードの差がでるのです。数年前の脱マウス術を身につけていない自分にこんなことを言ったとしても、「さすがにそれは言い過ぎだろう」と感じると思います。しかし、これは身につけた人のみが本当に実感できる事実です。

②については、近年、PCのバッテリー性能や処理能力の向上・コンパクト化などの技術革新が相当進んでいます。それだけでなく、働き方改革の必要性がさらに高まり、テレワーク・在宅勤務などの制度などの見直しが進でいる企業も増えてきています。現実に、いつでも・どこでも働ける世界へと進化してきています。

一方、自分自身の進化は十分と言えるのでしょうか?10年前と同じようなPC操作方法・スキルのままでよいのでしょうか?

企業の生産性とは、社員一人一人の1秒の積み重ねで決まります。皆さんの人生の生産性も、この1秒の使い方の積み重ねで決まります。ホワイトカラーが多くの時間を割いている PC作業の1秒の使い方を、今後はもっと胸の張れる時間に変えていきましょう。脱マウスは一生モノのスキルです。

なぜ、いま「脱マウス」なのか?

「マウスを使わない習慣」が働き方の選択肢と可処分時間を増やしてくれる

いきなりですが、スマートフォン(スマホ)の話からはじめます。

スマホって便利ですよね。なぜ、便利だと感じるのでしょう。理由の1つに、周辺機器がなくてもそれだけで使えることがあります。マウスはいらない、キーボードもいらない、スマホだけでデータの入力も操作も行えるから場所を選ばずに使える、これがスマホの長所です。

一方、パソコンのほうもノートパソコンが小さく軽くなり、ちょっとした隙間時間に作業をしやすくなってきました。ノートパソコンがスマホに近いていると言ってもよさそうです。

このようにパソコンが進化していくなかで、私たちの使い方はそれに合わせて進化・改善できているでしょうか。残念ながら、昔ながらの使い方をしている人も多いようです。どんどん小さくなるノートパソコンのメリット最大限に生かすには、どこかのタイミングで、マウスなどの周辺機器がなくても操作できるように、ユーザー自身がスキルアップしなければいけません。テレワークの普及、IT技術の向上によって、いつでもどこでも働ける環境に近づいてきています。このような働き方の多様性を生かすという意味からも、マウスなしで、どこでもパソコンを操作できるという選択肢を持つことは、これまで以上に重要になってきています。

マウスを使わないことでパソコンの操作時間を短縮し、仕事の時短につながることも見逃せません。マウスを使わない習慣を手に入れれば、働き方の選択肢が増え、あなたの可処分時間が増えるのです。

私の場合、本書の技術によって、1日当たり「5000クリック」していたのが「1000クリック」まで減らすことができました。1クリック 0.5秒と仮定すると、控え目に見ても年間約120時間の時短という計算になります。

平均すると年間120時間程度の時短が実現できます。

さて、これからマウスを手放す方法を説明していきますが、さすがに明日からすぐにマウスがいらなくなるというわけにはいきません。この本では、段階的にマウスへの依存度を減らしていって(マウスダイエット)、最終的にマウスを使わない「脱マウス」に到達することを目指します。

なお、アプリケーションソフト(以下「アプリ」)によっては、キーを使うよりマウスのほうが操作しやすく手早いものもあります。これについては脱マウスではなく、マウスダイエットのレベルをゴールとします。

暗記は非効率

「パソコン仕事の時短を図るためにショートカットキーを覚えよう」

こう決心した人のほとんど全員が、『ショートカットキー大全』のようなタイトルの本を読んだり、「覚えておきたいショートカットキー10選」といったネット記事を見たりして勉強することでしょう。そして真面目な人ほどキーの組み合わせを暗記しようと頑張ります。

しかし、ショートカットキーは、誰もが同じように暗記すればよいというものではありません。スマホではストレスなくデータ入力できるものの、パソコンのキーボードは苦手という人と、パソコンのキーボードに慣れていても、ショートカットキーは2、3個しか使えず、操作全体の速度が上がらないという人とでは、覚えるべきショートカットキーが違えば、覚える方法も違うはずです。

たとえば、コピー&ペーストのキーを考えてみましょう。コピーは[Ctrl+ [C]、ペースト(貼り付け)は[Ctrl] + [V]です。コピーのキーもペーストのキーも左手だけで押せますね。右手はマウスに置いたままで使えるキーなのです。ですから、キーボードを使いこなしている人のみならずキーボードにあまり慣れていない人でも使いやすい。しかも使用頻度の高い操作なので、比較的早い段階で覚えるのに適したキーです。

ショートカットキーは各人のスキル、レベルに合わせて覚えるべきです。マウス依存を減らし、脱マウスを実現するには、皆さんそれぞれのレベルに応じて学ぶことが必須であり、近道でもあるのです。

各種のショートカットキーを分類して並べた書籍やウェブページは多数あります。そして、多くの人が仕事を効率よく進めるためにショートカットキーを使いたいと思っています。にもかかわらず、実際にショートカットキーを使いこなしている人は、ごく少数です。それは、ひとえに各人のレベルを考慮しつつ体系化された覚え方がなかったためです。やみくもにキーの組み合わせを覚えようとするのではなく、このキーの意味は何なのだろう、どんなときにこのキーを使うのか、類似の組み合わせはないか、などを考えながら体系的に知識を得ていき、手を動かしやすいところからキー操作に移行していけば、もっと無理なくショートカットキーを覚えられるはずです。

2週間で可能にするプログラム

脱マウスするための5つのステップ

キーの説明に入る前に、マウスダイエットを経て脱マウスを実現するまでのステップを説明します。この本で紹介するのは、ショートカットキーの暗記ではなく、キーボードを起点として段階的に意味を理解しながら覚えていく方法です。

この本における脱マウスへのステップは次の5つになります。

Step1 要諦を確認する

マウスダイエットから脱マウスまでの基本的なルールや、キー自体の役割などを確認します。

Step 2 単体系のショートカットキーを覚える

1つのキーを押すだけのショートカットキーを覚えます。コピーの [Ctrl]+[C]は[Ctrl]と[C]という2つのキーを使います。これに対して、たとえば[F12」は、それを1つ押すだけで「名前を付けて保存」画面を表示できます(エクセルやワードなど、主なオフィスアプリの場合)。このようにそのキーだけで操作できるのが単体系のショートカットキーです。

Step3 母体キーの使い分け方を理解する

コピーの[Ctrl] + [C]のように、ショートカットキーというと[Ctrl]キーと何かを組み合わせるもの、あるいは[Alt] や[Windows] キーと別のキーを組み合わせて使うものというイメージがあることでしょう。たしかに、このようなキーの組み合わせはショートカットキーの要でもあります。

キーを組み合わせるときに使うイメージがあることでしょう。確かにこのようなキーの組み合わせはショートカットキーの要でもあります。[Ctrl] [Shift] [Windows] [Alt] をこの教材では「母体キー」と呼びます。ここでは母体キーの特徴を学びます。これがわかればキーの組み合わせを理解できるようになります。

Step4左手だけを使うショートカットキーを覚える

最初は左手だけで押せるキーを使います。右手はマウスの上に置いていてもかまません。そして、ここまでがマウスダイエットです。後ほど詳しく説明しますが、アプリによっては、脱マウスよりマウスダイエットのほうが使いやすいものもあります。そういったものについては、ここまでで十分に目標(生産性の向上、時短)が達成できると言えます。

Step5両手を使うショートカットキーを覚える

右手をマウスから離して、両手をキーボードに置いたままパソコンを操作する段階です。脱マウスの最終ステップになります。

ショートカットキーの本やインターネットでの説明を見ると、前述のステップ4や5から入りがちです。そして、覚えきれなくて中途半端で終わってしまう。これがこれまでのショートカットキーの学習でした。

しかし、この本では1番目に挙げている「要諦」を重要なものと位置づけます。組み合わせるキー自体の役割を知れば、それだけで暗記に依存しなくてもショートカットキーを使えるようになるからです。

たとえば、[Shift]キーの役割を知らずに[Shift] + [→]を押すと、選択範囲が右に広がる、というように暗記していませんか。[Fn]キーの位置がよくわからないままに、[Fn] + [↑] で上にスクロールと覚えようとしていないでしょうか。

これから説明するのは、単なる暗記ではなく、[Shift] や[Fn]キーの役割を覚える方法です。ここを理解すれば、[Shift] + [→]の組み合わせを覚えていなくても、「[Shift] + [→]で右方向に選択していけるのではないか」と頭が働くようになります。

[Fn] キーも、キーボードのどこにあって、どんな働きをするかがわかれば、組み合わせを暗記しなくても、キーボードを見れば一緒に押すべきキーがわかるようになります。

また、ショートカットキーの構造や由来についても紹介します。英単語は、由来がわかると効率的に覚えられるものです。ショートカットキーも同じことです。由来やちょっとした覚え方を知っていれば、覚えやすくなると同時に忘れにくくなります。

ステップ2の単体系のショートカットキーでは、1つだけで操作が行えるキーを紹介します。ここでポイントとなるのは、途中でマウスに持ちかえることなく、最後までキーだけで操作できるようになるための素地を作ることです。

たとえば、チェックボックスにチェックを入れたいとき、設定の画面を出すところまではキー操作で行っても、チェックを入れる段階になるとマウスでクリックしている人もいます。これでは、せっかくショートカットキー使っているのに効果が半減です。そうならないためにも、ショートカットキーとショートカットキーをつなぐ役割を持つキーのお話もします。

ステップ3の母体キーの使い分けでは、[Ctrl] や [Shift]キーの説明もしますが、[Ctrl] や[Shift]と比べると馴染みのない[Alt]キーの使い方について詳しく解説します。

ステップ4では、いよいよ一般的にショートカットキーとイメージされて

いるキー操作に入りますが、まず、左手だけで操作できるものを覚えます。

この段階では、右手はマウスの上にあってかまいません。いままでマウスで行っていた操作の一部を左手で行うことで、右手のマウス、左手のキーという具合に両手で操作ができるようになります。これにより、マウスだけで操作していたときと比べると2倍以上のスピードで作業が進むようになります。

そしてステップ5では、両手をキーボードに置き、脱マウスを目指します。ここまでに蓄積してきた単体系のキー、母体キーの知識、左手系のキーも生かしながら、いろいろな操作をキーだけで行ってみます。

さて、この5つのステップを習得するのに、どれくらいの時間がかかるのか気になる方もいるでしょう。目標としては、ステップ1からステップ3までの習得に3日間、ステップ4の左手系のショートカットキーの習得に5日間、ステップ5の両手系のショートカットキーの習得に6日間。計14日間です。

2週間でショートカットキーをマスターすることを目標とします。

ところで、事前の心構えとしてお伝えしておきたいことが1つあります。マウスダイエット、脱マウスへの道のりは、この本の説明にしたがって進めていったとしても快適とは言えません。とりわけ初期の段階では、マウスを使わないことにフラストレーションが溜まったり、作業が遅くなったように感じるなど辛い感情も生じます。

だからこそ、14日間という目標を定め、そのなかをステップごとに区切ることで、目的意識を持ったまま集中して学習していただきたいのです。ぜひ、2週間後にマウスを使わずにパソコンを操り、作業時間の短縮を実現している自分の姿を想像しながら学習していってください。

ここまで、マウスダイエットを経て脱マウスすることで生産性を上げるというお話をしてきましたが、実はアプリによっては、マウスを使ったほうが楽で速く操作できるものもあります。それは、グーグルクローム(以下「クローム」)やマイクロソフトエッジ(以下「エッジ」)、インターネットエクスプローラー(以下「IE」)のようなブラウザーや、パワーポイントのようプレゼンテーション用のアプリです。

たとえばブラウザーで表示するウェブページには、リンクが設定された文字やボタン、画像などが随所にあります。これをキーで選択しようとすると、キーを押す回数が増えて時間がかかってしまいます。目的の文字などをマウスでクリックしたほうがよっぽど時短になるわけです。

また、パワーポイントのスライドを作成するときも、いろいろな場所に画像やグラフ、表などを配置する操作をキーで行うのはやっかいです。

このようなアプリでは、左手でキー操作を行って過度なマウス依存を下げつつ右手でマウスも使うという、マウスダイエットをゴールとします。

これに対して、脱マウスが適しているのは、ウィンドウズ全般の操作、エクスプローラーでのファイル操作、アウトルックのようなメール系のアプリ、エクセルやワードなどが挙げられます。

もちろんアプリ内の操作によって、マウスのほうが簡単、キーボードのほうが速いというのはあるので、目的に応じた使い分けが必要です。また、キー操作にするかマウスを使うかの判断には作業場所もかかわってきます。

電車や飛行機のなかのようなスペースが限られている場合には、キーでの操作を優先したほうが効率的です。

キーのマークの意味を理解する

「Shift]キーや [Tab] キーには矢印が付いている

 [Shift]キーを見てください。上矢印のようなマークが付いていることに気がつくでしょう。一部の外資系パソコンメーカー製のキーボードでは、このマークが付いていないこともありますが、大半のキーボードにはあるはずです。いつも何気なく使ってい[Shift]キーですが、マークが付いているからには何かメッセージがあるはず。いったいどんな意味だと思いますか。ヒントとして、次の操作を行ってみてください。

・ワードやメモ帳など文字入力ができるアプリを開く。

・「-」(マイナス)を入力する。

・「=」(イコール)を入力する。

注意点は、「まいなす」や「いこーる」と文字入力して変換しないことと、テンキーの[-]・[]キーを使わないことです。半角英数のモードで記号として入力してください。

ほとんどの方が、問題なく入力できたでしょう。「-」は、半角英数モードで[ほ]のキーを押すと入力できます。「=」の入力にも[ほ]のキーを使いますが、今度は[Shift]キーも一緒に押します。たいていの人は無意識に左手で[Shift]キーを押したはずです。

このように「-」と「=」は、いずれも[ほ]のキーを使って入力します。

その[ほ]のキーを見ると、「ほ」のほかに上下に分かれて「-」と「=」も記されています。そして、上にある「=」を入力したいときは、上矢印のマークが付いた[Shift]キーと一緒に押すというしくみになっています。

「-」と「=」のように1つのキーが2層に分かれているときに、上側(2階)の記号の入力には [Shift]キーを使います。これを表しているのが[Shift]キーに付いている上矢印です。このマークのメッセージはとても役に立つので覚えておいてください。

そのまま押すと1階部分、[Shift]キーを加えると2階部分の記号になるマークが付いたキーはもう1つあります。[Tab]キーです。[Tab] キーには上に左矢印、下に右矢印が付いています(一部のキーボードを除く)。

このマークも1階が右矢印、2階が左矢印と考えてください。これがどのように働くか、エクセルの例で説明します。

エクセルのワークシートを開いて、どこかのセルを選び[Tab] キーを押してください。 [Tab] キーにも1階と2階がある

[Tab] キーだけですから1階部分の記号を使います。キーを押すと記号の通り選択セル(選択した状態のセル)が右方向へ移動します。図では C2から D2へ選択が移動しました。これが右矢印の部分の働きです。

2階部分の記号は[Shift]キーと組み合わせると使えます。[Shift]キーの上矢印の作用を利用するわけです。エクセルで[Shift] + [Tab] キーを押すと選択セルが左方向へ移動します。

[Tab] キーの動きは、アプリによって少し違いますが、時計回りにセルやカーソルを移動するイメージで覚えるとよいでしょう。[Shift] + [Tab]キーなら反時計回りになります。

動きを見てみましょう。メール作成画面を開いてみてください。本文の欄をクリックしてカーソルを置きます。その状態から [Shift] + [Tab] キーを押すと、押すたびに「件名」→「BCC(表示している場合)」→「CC」→「宛先」の順にカーソルが移動していきます。

さらに続けて[Shift] + [Tab] キーを押して行くと [BCC] ボタン(表示している場合) → [CC] ボタン → [宛先]ボタン → [送信]ボタンに選択が移動します。「CC」のあたりは一度下方向の動きも入りますが、全体としては反時計回りのイメージで動いていくのがわかるでしょう。[Tab] キーでは、アプリが決めた順にカーソルあるいは選択が移動し、[Shift] + [Tab] キーを押すと、その逆の順に移動するわけです。メール画

面で例示しましたが、ほかの多くのアプリでも同様の規則性があります。

エクセルで [Ctrl]+[;]と「Ctrl]+[+]を打ち分けてみよう

キーのイメージから連想する

それでは、ここでちょっと復習をしましょう。エクセルのワークシートを開いて、どこかのセルで[Ctrl] + [;] キーを押してください。次に別のセルに移動して、[Ctrl] + [+] キーを押します。この2つは異なる働きのショートカットキーです。

1つ目の[Ctrl] + [;] キーは、その日の日付を入力するキーです。セルに日付が表示されれば成功です。

2つ目の [Ctrl] + [+] は、「セルの挿入」の画面を表示するキーです。

うまく開いたでしょうか。セミナーでは半分くらいの人がここでつまずきます。

「+」は多くのキーボードでは、[れ]([;])のキーの2階部分にあります。復習になりますが、2階部分を使いたいときは[Shift]キーと組み合わせるのでしたね。「[Ctrl] + [+] キーを押してください」と言われると、2つのキーを使うように聞こえますが、[Shift]キーも押さなければなりません。[Ctrl] + [+] キーというのは、実際には[Ctrl] + [Shift] + [;]という3つのキーなのです。

それなら、最初から [Ctrl] + [Shift] + [;]キーと言えばよいのでは、と思うかもしれません。しかし、ここで大切になるのが覚えやすさとキーの意味です。

エクセルでこのキーを押すと「セルの挿入」画面が出てきました。「セルの挿入」に対して、[Ctrl] + [Shift] + [;] と[Ctrl] + [+] のどちらがイメージしやすく覚えやすいでしょうか。セルを加えるのですから[+] キーのほうが、覚えやすいし、忘れたときも思い出しやすいでしょう。

「キーの2階部分を使うには [Shift]キーを押す」という構造が理解できていれば、[Ctrl] + [+] というキーを [Ctrl] + [Shift] + [;] のように覚える必要がなくなり、イメージに近いキーで操作ができるようになります。

これが、「Point 4」の1つの例です。さらに[Ctrl] + [+]はクロームなどのブラウザーでも利用できます。

この場合はズームアップになります。これも[+] キーのイメージと重なる動きなので覚えやすい。[Ctrl] + [+]という組み合わせで覚えると応用が利きやすいのです。

エクセルで行列削除をしてみよう

操作に使うキーを推測する

前の項で「イメージ」が大切だというお話をしました。[Ctrl] + [+]キーの操作でも、セルの挿入と[+] キーのイメージを重ねると覚えやすいことを実感していただけたでしょう。

では、ここで想像力を働かせて、ここまで学んできた情報をもとに、エクセルの行列削除のキーを推測してみましょう。

[+] キーでセルの挿入の画面が表示されましたね。削除は挿入の反対、ということは[+] キーの反対の[-] キーを使うと思いついたでしょうか。

エクセルで[Ctrl] + [-] キーを押すと、「削除」画面が表示され、セルの削除や行全体、列全体の削除が選べます。また、同じキーをクロームなどのブラウザーで使うとズームアウトになります。このようにイメージから推測すれば、キー操作の幅が広げられます。

ところで、さきほどの[Ctrl] + [+]ですが、セルを挿入するのなら「Insert」(挿入)の頭文字である[I] キーを使うのではないか、と思う人がいるかもしれません。

しかし、[I] キーは「Italic」(斜体)の頭文字でもあり、[Ctrl] + [I]は斜体の設定/解除のキーとして割り当てられていて挿入には使えません。

そこで、挿入のイメージに一致する[+] キーを使っているのです。このように操作を行うキーがイメージに合わせて決められていることもあります。

[Fn] キーと組み合わせるキー

キーボードの上部にある [F1] から [F12] のキーを見てください。これもキーボードによって違いはありますが、多くのキーボードでは「Fn」の文字と同じ色、または囲った形で絵文字も印されています。この場合、多くは「F1」が1つ目の役割、絵文字が2つ目の役割です。2つ目の役割の機能は、[Fn]キーと組み合わせて押すことで呼び出せます。たとえば、スピーカーにが付いた絵文字が書かれたキーがあったとします。[Fn]キーとこのキーを押すと、スピーカーの音量が上がります。

[Fn]キーとの組み合わせは、キー上に「PgUp」のような文字や絵文字が書かれているので、構造を理解すれば誰でもすぐに使えます。

しかし、それにしても複雑な構造です。なぜ、こんなふうになってしまったのでしょうか。それには、パソコンのサイズが小さくなったことが関係しています。デスクトップパソコンがノートパソコンになり、さらにそのサイズが小さくなっていくなかで、以前は矢印キーの上側にあった [PgUp]キーや[Home] キーなどが姿を消し、その働きが、残っているキーに2つ目の役割として割り当てられたのです。そして、[Fn]キーと組み合わせることで切り替えるようになりました。このような工夫をすることで、ボードを小さくしてきたのです。

知る人ぞ知る重要キー8選

キーのなかには、一般的にあまり使われていないものの、実は重要なキーがあります。具体的には、[Esc] [無変換][変換] の各キーです。ここでは、これらの働きを紹介します。

[Esc] キー

キーボードの左上にあるキーです。ちなみにキーボードの四隅には非常に重要なキーが配置されています。

多くの場合、左上が[Esc] キー、右上が[Delete]キー、右下が矢印キー、左下は[Ctrl] または[Fn]キーになっています。

さて、皆さんは重要キーの1つである[Esc] キーを適切に使えているでしょうか。セミナーを受講してくださった方を見る限りでは、[Esc] キーを使いこなしている人はとても少ないようです。

[Esc] キーの働きの1つに、アプリによる設定画面やメッセージ画面などを閉じる機能があります。実際に行ってみましょう。

エクセルを開いて、[Ctrl] + [H] キーを押してください。「検索と置換」の「置換」タブの画面が表示されるはずです。例えば、こんな画面を閉じたいときに、マウスに持ち替えて右上の[×]をクリックする人が少なくありませんが、[Esc] キーを押せば閉じられます。[Esc] キーで閉じる操作は、さまざまなアプリ、そしてウィンドウズで使えます。

たとえば、ウィンドウズのロゴが描かれた [Windows] キーを押すと、スタートメニューが表示されます。これを閉じるのにも [Esc]キーが使えます。

一方で、アプリ本体は[Esc] キーを押しても閉じません。ポップアップした画面だけを閉じる設計になっているので、間違って[Esc] キーを押してもアプリが終了する心配はありません。

また、入力中の文字、変換中の文字を取り消したいときも [Esc] キーが役に立ちます。

[無変換] キー

多くのキーボードでは、[無変換] キーは[スペース]キーの左にあります。これから述べる[無変換] キーの働きは、かな漢字変換にマイクロソフトIME を使っている場合に対応しています。他のIME(文字変換ソフト)には対応していないのでご注意ください。

「らく」と入力して漢字の「楽」ではなく、カタカナの「ラク」に変換したいとしましょう。「らく」と入力したら [F7] キーを押してカタカナに変換する人が多いのではないでしょうか。それも間違いではないのですが、もっと手近にカタカナ変換をするキーがあります。[無変換]キーです。「らく」と入力して[無変換]キーを1回押せば「ラク」に変換できます。こちらのほうが指を伸ばさなくてよい分、文字通りラク。手元ですむので時短にもなります。ちなみに、[無変換] キーを2回押すと半角カタカナの「ラク」になります。

[変換]キー

続いてを[変換]キーです。入力して漢字に変換する際、[スペース] キーを使うのが一般的ですが、[変換]キーを押して変換することもできます。[スペース] キーと[変換] キーの違いは、[変換]キーが再変換にも使えることです。

たとえば、「おおもりさん」と入力して「大森さん」と変換したかったとします。ところが変換を確定したあとに「大盛さん」になっていたことに気がつきました。こんなときに、たいていの人は、[BackSpace] キーを押して「大盛さん」を削除してから、再度、「おおもりさん」と入力して「大森さん」に変換するでしょう。

しかし、[変換]キーを使えばもっと簡単に「大盛」を「大森」に再変換できるのです。「大盛」を「大森」に直すには、「大盛」を選択して[変換]キーを押します。

そうすると変換候補が表示されるので、矢印キーで「大森」を選んで[Enter]キーを押せば、「大森さん」に修正できます。入力済みの文字を削除したり、再入力する手間が省けるので修正時間を大幅に短縮できます。

範囲選択のキーも覚えておきましょう。これは両手を使うキーですが、文字入力中は両手がキーボードの上にあるので、この状態でも使うべきキーとしてここで説明します。範囲を選択するには、[Shift]キーを押しながら矢印キーを押します。カーソル位置を起点として[Shift]+[→] なら右方向へ選択でき、[Shift] + [+] なら左方向への選択になります。[Shift] +[→] キーを押して文字を選択しすぎたら、[Shift] + [-] を押して選択を戻すといった使い方もできます。ワードなどで範囲を選択しすぎたときや

改行マークのみを選択範囲から除きたい場合にも便利な方法です。

いますぐ使える武器から使っていこう

ショートカットキーと聞くと、2つ以上のキーを組み合わせて使うものと思うかもしれませんが、1つだけで実行できるキーもあります。まず、1つだけで使うキーを覚えましょう。ここで説明するのは[Tab][スペース][F2] [F12] [Windows] の各キーです。

このほかにも、1つだけで使えるキーとして次のようなものがあります。

・[F7]

全角カタカナに変換

・[F9]

全角英数に変換

・[F10]半角英数に変換

・[無変換] カタカナ(全角・半角)に変換

・[変換] 再変換

[Tab] キー

このキーを押すと、アプリが規定した順にカーソルや選択が移動します。         [スペース] キー

チェックボックスが選択された状態でこのキーを押すと、チェックボックスのオン/オフを切り替えられます。

[F2]キー

主に、ファイルやフォルダーの名前を変えるときに使うキーです。

[Windows] キー

キーを押すと、スタートメニューが表示できます。これに続けて、アプリの先頭の文字(出てこないの場合は2、3文字)を入力すると、同じ文字列から始まるアプリだけが表示されるので、アプリを素早く起動で

きます。

例としてエクセルを起動してみましょう。[Windows] キーを押し、続けてエクセルの先頭文字である[E]キーを押します。そうすると「E」から始まるアプリの一覧が表示されるので、上下の矢印キーで「Excel」を選んで[Enter]キーを押すと、エクセルが起動できます。なお、[Windows]キーは離してから「E」を押してください。

文字入力のための指のホームポジションがあるように、ショートカットキーを使う場合にもホームポジションがあります。そして入力のホームポジションに指を置くと効率よくタイピングできるのと同じように、適切な場所に指を置けばショートカットキーを押しやすくなり、操作のスピードもアップします。時短のためにショートカットキーを覚えるのですから、もっとも短時間でそれぞれのキーを押せる位置に指を置くことはとても重要です。

まず左手ですが、親指は[Alt]キーの近くに置くようにしてください。

そして、中指を[Tab] キーのあたりに置きます。これがおすすめのホームポジションです。なぜ、この位置がよいかというと、[Alt] + [Tab] キーを使う頻度が高いからです。これは開いているウィンドウ(使用中のアプリ)を切り替えるのに使うキーです。

開いているウィンドウの一覧が表示されたら、[Alt]キーを押したまま、[Tab] キーを押せば、そのたびに選択が移動します。目的のウィンドウが選択されたらキーを離すと、そのウィンドウを前面に表示できます。

このようなウィンドウの切り替えはパソコンの作業で頻繁に行います。そのときに、左手の親指で[Alt]キー、左手の中指で[Tab] キーのように指を使うと押しやすいのです。パソコンスキルの高い人が、タイピングする以外のときに指を置いている位置を観察すると、多くの人が無意識に親指を[Alt]キー、中指を[Tab] キーの周辺に置いています。[Ctrl]キーを押す指も決めておきましょう。[Ctrl]キーを押すのには左手の小指を使うのが一般的です。ただし、[Ctrl]キーと[Fn]キーの位置がキーボードによって違うため、このあたりは、キーボードに合わせて微調整してください。また、「Ctrl]キーを押しながら、数字の[1]、[2] などのキーを押す場合は、[Ctrl] キーは左手の親指で、数字のキーは中指で押すこともあります。

次は右手です。右手は矢印キーに置きます。左手でショートカットキーの指示をして、右手で矢印キーを押して選択や決定をすることが多いためです。

右手は、矢印キーのほかに、「Enter] キーやアプリケーションキーを押すのにも使います。これがショートカットキーのためのホームポジションです。

キーとタッチパッドを併用する場合には、左手は前記のホームポジションに、右手をタッチパッドに置くという方法もあります。

母体キーの意味がわかると世界が変わる

ショートカットキーを覚えるときに誰もが混乱しがちなのが、2つのキーを組み合わせるときに、母体キーが[Ctrl]だったか [Windows] だったか、あるいは[Alt]だったかということでしょう。たとえば、コピー(Copy)のキーには[C]を使うことを覚えていても組み合わせるのが[Ctrl]なのか[Windows]なのか [Alt]なのかが、わからなくなってしまうという具合です。これは母体キーの基本的な使い分けを理解すれば防げます。また、母体キーのパターンを理解していれば効率よくショートカットキーを覚えられます。ただし、アプリによって使い方が違うことがある点には留意してください。

まず [Ctrl]キーについてです。[Ctrl]は、主に手前すなわち最前面のアプリを扱うのに使います。母体キーのなかでは、もっとも使用頻度が高いキーだと言えます。

続いて[Windows]キーですが、これは使用中のアプリとは関係なくウィンドウズそのものを操作するときに使います。たとえば、デスクトップを表示する [Windows] + [D] というキーがありますが、これを押すと一番手前のアプリがワードであろうがパワーポイントであろうが、デスクトップを表示できます。[Windows]と組み合わせるショートカットキーはキーの名の通り、ウィンドウズがほとんど制御しています。

[Alt]キーの「Alt」は「Alternative」の略称だと言われています。「Alternative」は直訳すれば「ほかの手段」あるいは「代替手段」になります。キー操作での「代替手段」とはどんなことか、エクセルで試してみます。

エクセルのワークシートを表示して[Ctrl] + [H] キーを押してください。「検索と置換」の「置換」タブの画面になります。その画面には、[すべて置換][置換][すべて検索] [次を検索] [オプション]などのボタンがあります。このようなボタンをキーボードだけで操作しましょう。[オプション]のようなボタンをよく見ると、「(T)」のようにカッコつきのアルファベットがありますね。

画面にあるボタンを押したいときは、[Alt]キーを押しながら、そのアルファベットのーを押します。[オプション]ボタンをクリックしたかったら、[Alt] + [T] キーを押すというわけです。

[Alt] + [T] を押すと、[オプション]ボタンをクリックしたのと同じようにオプションの設定項目が表示されます。これを閉じたいときも [Alt] +[T]キーを押します。

このように、[Alt]キーは、アプリが表示する画面のボタンをキーボードで押したいときに使います。

 [Alt]キーは、使用中のアプリやエクスプローラーなどのウィンドウを切り替えるのにも利用できます。マウス操作では、ウィンドウの表示の切り替えは、タスクバー上のアイコンをクリックして行います。これをキーで代替するのが「Alt]+[Tab]です。[Alt] キーを押したまま[Tab]キーを何度か押すことで、最前面に表示するウィンドウが選べます。

このほか[Alt]キーは、エクセルやワードなどのオフィスアプリで、タブやリボン上のボタンを押したいときにも使います。たとえば、エクセルで[Alt]キーを押してください。[ホーム] タブのそばに[H]、[挿入] タブのそばに[N]のように、それぞれのタブにアルファベットが表示されます。次に[H]キーを押してみましょう。「ホーム] タブが開きます。さらにもう一度[H] キーを押すと、「塗りつぶしの色」のパレットが表示されます。続いて、矢印キーで色を選び[Enter] キーを押すと選択中のセルに色がつきます。

最初に[Alt]キーを押して表示されるのは、各タブを開くためのキーです。

[H]は[ホーム] タブに対応しています。このキーを押すとタブが開くと同時に、そのタブにあるボタンに対応したキーが表示されます。[H] は「塗りつぶしの色」のキーです。そこで、[H]を押すと「塗りつぶしの色」のパレットが表示されるというしくみになっています。

母体キーには、ほかに [Ctrl] や[Shift] [Windows] もありますが、もっとも難しく、奥が深いのがここで説明した[Alt]キーです。[Alt] キーの使い方は、実際に試しながら覚えるのが一番です。

チャレンジワーク 2つの文書を切り替えて交互に入力する

パソコンの作業では、複数のアプリを起動して切り替えながら使うことが多々あります。ここでは、マウスを一切使わずにワードを2つ起動し、それぞれの文書に代わる代わる入力することにチャレンジします。

まず、アプリの起動方法を復習しましょう。[Windows] キーを押して、ワードの頭文字「W」を入力するのでしたね。こうすると「W」から始まるアプリが表示されるので、矢印キーで「Word」を選択して[Enter] キーを押すとワードが起動します。[白紙の文書]が選ばれているのを確認して[Enter]キーを押すと白紙の文書が表示されます。

もう一度同じ操作を繰り返して2つ目のワードを起動して白紙の文書を表2つのワード文書が用意できたところで、半角英数で片方には奇数の数字、示してください。

もう一方には偶数の数字を順に入力してみましょう。これも、もちろんマウスは使わずにキーだけで操作します。どのようにしたらよいか、方法を思いついたでしょうか。

まず、文書1に「1」と入力します。次に[Alt]キーを押したまま[Tab]

キーを押します。起動中のアプリの一覧が表示されるので、もう1つのワード文書を選びます。ほかのアプリも表示されていたら、[Tab] キーを何度か押して、もう1つのワード文書が選択されたところでキーを離してください。

白紙の文書が表示されたら「2」と入力します。ふたたび[Alt]キーを押したまま[Tab] キーを押して、先ほど「1」と入力した文書を選びます。「1」の次に「3」と入力しましょう。入力ができたら[Alt]キーを押したまま[Tab] キーを押して「2」と入力した文書を選び、「4」と入力します。

このように[Alt]キーを押したまま[Tab] キーを押してウィンドウを切り替える操作をしながら、数字を順に9まで入力してください。

左手のショートカットキー

いよいよ複数のキーを組み合わせる操作に入ります。と言っても、この段階では、右手はマウス上に置いたまま、左手だけで押せるキーを学びます。

こうすると、覚えきれていない分はマウスで補うこともできますし、キーとマウスを組み合わせて使うこともできて、両手を使うキーをアプリ別に暗記するより無理がなく、効率もよいのです。

さて、ここで注意点が1つあります。ショートカットキーには、同じ効果を得られる2つのキーが存在することがあります。その一例がブラウザーやエクスプローラーのアドレスバーを選択状態にするキーです。これには[Alt] + [D]と[Ctrl] + [L] の2つがあります。いずれのキーを押しても同じようにアドレスバーが選択できます。

2つのキーがあると、どちらを覚えるか迷うところですが、そんなときは、キーの位置と指の動きを考えてみてください。[Ctrl] + [L] キーを押すには、両手を使わなければなりません。一方、[Alt] + [D] キーは左手だけで押せます。[Alt]に親指を置いていれば、[D]は人差し指で押せるからです。

このように、1つの操作に対して複数のショートカットキーがある場合は、左手だけで押せるキーを優先して覚えることを強くお勧めします。

母体キーとの組み合わせで働きが変わる

まず押さえるべき数字系ショートカットキー

数字系のショートカットキーとは、[Ctrl] [Windows] [Alt] のような母体キーと数字キーの組み合わせです。

最初に、[Ctrl]と数字を組み合わせて押すキーを紹介します。主にブラウザーやコミュニケーション系のアプリで役に立ちます。このようなアプリでは、[Ctrl] + [1]、[Ctrl] + [2] のように[Ctrl] と数字のキーを組み合わせて押すと、タブやスレッドの順番に従って表示を切り替えられます。

たとえば、クロームやエッジのようなブラウザーで[Ctrl] + [1]、[Ctrl]+ [2]、[Ctrl] + [3] のように順にキーを押すと、左端(1番目)のタブ、その右隣り(2番目)のタブ、さらにその右(3番目)のタブのように表示を切り替えられます。

クロームで「Google」「天気 – Google 検索」「ストアカ」の3つのタブを開いているとします。[Ctrl] と数字キーでタブを移動してみましょう。

[Ctrl] + 数字キーは、このほかアウトルック、スラック(Slack)やチームス(Teams)のようなコミュニケーション系アプリの多くで共通して使えます。

次に [Windows] と数字キーの組み合わせです。これは、タスクバー(アプリのアイコンが並ぶ帯状の領域)にあるアプリのアイコンをクリックする操作になります。[Windows] + [1] キーを押すと、タスクバーの「スタート]ボタンの次にあるアプリを起動、または最前面に表示できます。[Windows] + [2] キーを押すとその次のアプリが表示されます。例えば、タスクバーに、1番目にクローム、2番目にエクセル、3番目にワードのアイコンがあります。[Windows] キーと数字キーを使ってクロームとエクセルを最前面に表示してみましょう。

[Windows] キー+[1]でクロームが開きます。

最後に[Alt]キーと数字の組み合わせです。エクセルやパワーポイントのようなアプリでは、[Alt]キーを押すと各タブに対応するキーが表示されます。そのときにクイックアクセスツールバー“に登録したボタンに対応した数字も表示されます。

[Alt]キーを押すと、[フィルター]が[1]、[フィルターのクリア]が[2]になることがわかります。表のなかのセルを選択して、[Alt]キーを押し、次に[1]キーを押せば、フィルターが設定できるわけです。

※クイックアクセスツールバーとは、よく使うコマンドやキーをアプリ上部のバーに

登録し、すぐに実行できるようにする機能です。

アプリを切り替える

前面に表示するウィンドウやアプリを切り替えたいとき、マウス操作ではタスクバー上のアイコンをクリックします。これと同じことをキーで行いす。まず [Alt] (押しっぱなし)+ [Tab] キーを押してください。そうすると起動中のウィンドウやアプリの画面のサムネイルが表示されます。

このまま[Alt]キーの指を離さずに[Tab] キーを押すと、1回押すたびに選択が右に移動します。

エクセルが選択されたところで、キーを離すとエクセルが前面に表示されます。起動中のウィンドウやアプリが3つ程度なら、この方法だけで選択できますが、ウィンドウの数が多い場合は[Alt] + [Tab] キーを押したときにサムネイルが上下に表示されます。そうすると[Tab] キーを複数回押してウィンドウを選ぶのにも時間がかかりますし、[Tab] を押しすぎて戻したくなることもあるでしょう。サムネイルの数が増えたら、[Tab] キーではなく上下左右の矢印キーで目的のウィンドウを選択するのがおすすめです。このときも[Alt]キーは押したまま矢印キーを押してください。

矢印キーを組み合わせるとなると、右手を使うことになって少々レベルが上がります。そこで左手だけで選択を移動する方法もお伝えしておきます。

サムネイルを表示してから、[Alt]キーを押したまま[Tab]キーを押すと、選択が右へ移動するのでしたね。これを何度か押していくと、最初の位置に戻るので選び直せます。また、目的のウィンドウを通りすぎてしまった直後なら[Alt]キーを押したまま[Shift] + [Tab] キーを押して戻ることもできます。

画面を閉じる

アプリによって表示される設定や操作の画面を閉じるには[Esc] キーを押します。[Esc] は「Escape」の略で、英単語としては「逃げる」のような意味、コンピューター用語としては「コマンドを取り消す」「ファイルを閉じる」「1つ前のメニューに戻る」などの意味があります。詳しい意味を覚える必要はありませんが、このようなイメージをもってください。

アプリが表示する画面は[Esc]キーで閉じられますが、アプリそのものを閉じるキーは別にあります。アプリを終了したいときは[Alt] + [F4]キーを押します。キーを押したときに、最新のデータが保存されていないと、保存を促す画面が表示されるので、保存するか、しないかを選べます。

アドレスの上書きコピーをしたいとき

エクスプローラーやブラウザーで、アドレスバーに表示されているアドレスやファイルのパス(ファイルやフォルダのありかを示す文字列)を選択したいときに使うのが[Alt] + [D]キーです。アドレスを上書きしたり、コピーしたいときに役に立ちます。

覚え方としては、アドレス(Address)の先頭の文字「A」から始まる[Alt] と、アドレス2文字目と同じ[D] キー、のように関連づけてみてはいかがでしょう。

操作を戻る・進む

実行した操作をやめて、元に戻したいときは[Ctrl] + [Z] キー、戻した操作をキャンセルしたい(進めたい)ときは[Ctrl] + [Y]キーを使います。

これを覚えておくと間違ったときの取り消し、取り消しをやめるという操作が簡単に行えます。

全てを選択する

[Ctrl] + [A] は、最前面のウィンドウでカーソルがある位置を基準に、すべてを選択するキーです。「All」の「A」と覚えましょう。

このキーで選択できる「すべて」は、アプリによって、また、そのときのカーソルの位置(選択している位置)によって変わります。たとえば、ワードの文書画面では、カーソルがどこにあっても文書全体が選択できます。パワーポイントの標準表示のスライド一覧で任意のスライドを選択した状態で、このキーを押すとすべてのスライドが選択されますし、スライドを作成したり編集したりしている状態で[Ctrl] + [A] を押すと、そのスライドの要素(図形やテキストボックスなど)がすべて選択できます。

デスクトップへ移動する

エクセルで作業をしている最中に、デスクトップに保存したフォルダーのなかのファイルを開く必要が生じたら、あなたはどのように操作するでしょう。

エクセルのウィンドウの右上にある最小化ボタンをクリックしてデスクトップを表示し、フォルダーをダブルクリックするかもしれません。しかし、もしエクセルのほかにワードやパワーポイント、アウトルックも開いていたら、この方法ではアプリのウィンドウを最小化する操作を繰り返すことになり、時間がかかります。

こんなときに活用したいのが、複数のウィンドウを開いていても、いっきにデスクトップを表示する [Windows] + [D]キーです。「D」は「Desktop」の頭文字と覚えましょう。

 [Windows] + [D]でデスクトップを表示したあと、アプリの画面に戻りたければ、もう一度同じキーを押してください。タスクバーのアイコンをクリックして戻すより、ずっと手軽です。さて、[Windows] + [D]でデスクトップを表示したのは、デスクトップにあるフォルダーやファイルを利用するためでした。そこで、デスクトップを表示したあとに素早く目的のフォルダーやファイルを選択する方法も紹介しましょう。フォルダー名やファイ

ル名が半角英数(キーに記されている英字や数字)なら、半角入力モードでその名前の頭文字あるいは先頭から数文字を入力するだけで、フォルダーやファイルが選択できます。たとえば、デスクトップに移動してから[M]キーを押すと、「M_memo」フォルダーが選択できます。

アプリやファイルがすぐに開ける便利技

[Windows] キーを押しながら[R]キーを押すと、「ファイル名を指定して実行」という画面が開きます。

この画面の「名前」欄にアプリの名前やフォルダー(ファイル)のパス、ウェブページのアドレスなどを入力して[Enter]キーを押すと、そのアプリが起動したり、フォルダー(ファイル)が保存された場所やウェブページが開きます。

さて、ここまで読んで「フォルダーの保存先をパスで入力するのは難しそう」と思う人がいるかもしれません。しかし「ファイル名を指定して実行」の「名前」欄には、入力されたパスなどを履歴として保存する機能があります。ですから、一度開いたことがあれば、それ以降は「名前」欄に前回開いたフォルダーなどのパスが表示されます。

そもそも、1回目に入力すべきファイルやフォルダーのパスがわからない、という人もいるかもしれませんが安心してください。

ファイルやフォルダーの保存場所をメモしておきたいときに便利なのがパスのコピーです。共有ドライブにあるファイルの保存場所をほかの人に知らせたいときも、パスをコピーする操作を知っていると役に立ちます。パスをコピーするには、まず、エクスプローラーで対象とするファイルやフォルダーを選択します。その状態で[Shift]キーを押しながらアプリケーションキー(なければF10)を押しましょう。

なお、パソコンによってはアプリケーションキーが存在しないこともあります。この場合はアプリケーションキーのかわりに[Shift] + [F10] キーを押せば同じメニューを表示できます。

コピーしたパスを「ファイル名を指定して実行」画面の「名前」欄に貼り付け、[Enter]キーを押して一度開けば、次からは履歴を使って開けるようになります。

応用になりますが、「ファイル名を指定して実行」画面を使って、パソコンを起動したときに立ち上げるアプリを指定することもできます。多くの人は出社して、パソコンのスイッチを入れ、ウィンドウズが起動すると、次にメールアプリもしくは、チャットアプリなどのコミュニケーション用のアプリを開くでしょう。

このようにパターン化した操作こそパソコンに任せて時短を図りたいものです。ウィンドウズでは、「スタートアップ」というフォルダーにアプリのショートカットを保存しておけば、ウィンドウズを起動したときにそのアプリを自動的に開くという機能があります。この「スタートアップ」フォルダーを開くのに便利なのも「ファイル名を指定して実行」画面なのです。操作方法は次のとおりです。

[Windows] + [R] キーを押して「ファイル名を指定して実行」画面を開き、「名前」欄に「shell:startup」と入力して[Enter] キーを押します。

実行するプログラム名、または開くフォルダーやドキュメント名、インターネット リソース名を入力してください。

これで「スタートアップ」ファルダーが開きます。続いて[Windows]キーを押してスタートメニューを表示し、コミュニケーション用のアプリを「スタートアップ」フォルダーにドラッグしてください。

「スタートアップ」フォルダーにコミュニケーション用のアプリのショートカットが保存されます。次回以降は、ウィンドウズを起動すると、コミュニケーション用のアプリも自動的に開くようになります。コミュニケーション用のアプリに限らず、エクセルでもワードでも業務に合わせて「スタートアップ」フォルダーにショートカットを保存しておくと、毎朝、起動する手間が省けます。

爆速つかえるショートカットキー

上書き保存

万が一、アプリやパソコンがフリーズしたときに備えて、ファイルをこまめに上書き保存する習慣がある人は多いことでしょう。最短で上書き保存できるのが[Ctrl] + [S] キーです。「S」は「Save」の頭文字です。アプリの種類やバージョンによっては[Ctrl] + [S] キーを押しても、何も変化がみられませんが、最新のエクセルやパワーポイントなどのオフィスアプリでは、タイトルバーに「保存しました」あるいは「この PC に保存済み」のような文字が表示されます。この文字がなければ[Ctrl] + [S] で上書き保存する、というように保存の目印にしてください。上書きではなく、別の名前を付けて保存したい場合は、[F12] キーを押せば「名前を付けて保存」画面を呼び出せます。

タブの切り替え

アプリが操作や設定のために表示する画面のうち、上部にタブがあって内容を切り替えられるようになっているものがあります。たとえば、インターネットブラウザのタブ、エクセルの「セルの書式設定」、ワードの「段落」のような画面です。エクセルの「セルの書式設定」には、[表示形式][配置][フォント][罫線][塗りつぶし][保護]の6つのタブがあり、これをクリックすることで、設定できる項目が変わります。

アプリが表示する画面のタブをクリックする操作は、[Ctrl] + [Tab]キーで行えます。[Ctrl] + [Tab] キーを押すと右隣りのタブが開き、キーを押すたびに開くタブが右に移動していきます。

[フォント]タブ、さらに[Ctrl] + [Tab] を押すと「罫線]タブのように右に移動します。

ここで思い出していただきたいのが、[Tab] キーに記されている矢印です。[Tab] キーの1階部分には右矢印があります。[Ctrl] + [Tab] キーでタブの選択が右方向へ移動するのには、この1階部分の機能を使っています。

そして[Tab] キーの2階部分には左矢印があります。これは左へ移動する働きを示しています。2階部分の機能を使うには [Shift]キーと組み合わせるのでしたね。「セルの書式設定」のようなアプリが表示する画面でも[Ctrl] + [Shift] + [Tab]キーを押すと、タブの選択が左方向へ移動します。

タブがあるのは、アプリが表示する画面だけではありません。クロームやエッジのようなブラウザーにもタブがあります。ここでも、[Ctrl] + [Tab]キーでタブの選択を右へ移動、[Ctrl] + [Shift] + [Tab] キーでタブの選択を左へ移動できます。次の図は、クロームでタブの選択を右に移動する例です。「Google」タブから「天気 – Google 検索」タブに移動しています。

範囲を指定して画面を撮影する

表示中の画面を撮影したいときは、一般的には[PrtSc] キーを押しますが、ウィンドウズ10以降では、[Windows] + [Shift] + [S] キーを押せば、切り取り&スケッチ」アプリが起動し、画面の任意の範囲を撮影できます。

撮影(切り取り)する範囲は、[四角形の領域切り取り][フリーフォーム領域切り取り][ウィンドウの領域切り取り] [全画面表示の領域切り取り]から選べます。たとえば、[四角形の領域切り取り]を選んで画面上の任意の範囲をドラッグすると、四角く撮影(切り取り)できます。このようにして撮影した画面は、メールや文書、スライドなどに[Ctrl]

+ [V]キーを押して貼り付けます。

ドラッグした範囲の画像がクリップボードにコピーされるので、貼り付けたいメールや文書などを開いて[Ctrl] + [V] キーを押して、画像を貼り付けます。

また、ドラッグ直後に「切り取り領域がクリップボードに保存されました」というメッセージが表示されるので、これをクリックすると「切り取り&スケッチ」アプリを使って、撮影した画像を保存することもできます。

リボンの開閉

アウトルックやエクセル、パワーポイントなどの画面の上部には「リボン」と呼ばれる領域があり、アプリの機能を使うためのボタンが配置されています。リボンは、アプリをマウスで操作する場合に、各種の機能を見つけやすく、クリックだけですぐに使えるようにしたものです。しかし、キーで操作するようになるとリボンにあるボタンを使う頻度が下がります。リボンの領域を使わないのなら、通常はリボンを非表示にし、必要なときだけ表示すれば、3cm ほどのリボンの分だけ画面が広く使えます。

リボンの表示と非表示は[Ctrl] + [F1] キーで切り替えられます。リボンを表示した状態で、[Ctrl] + [F1] を押すとリボンが非表示になり、非表示の状態で[Ctrl] + [F1] を押すとリボンを再表示できます。

チャレンジワーク

「名前を付けて保存」画面を開いて保存する

ここまで学習してきたキー操作を使って、エクセルまたはワード、パワーポイントを開き、ファイルに名前を付けてデスクトップに保存しましょう。

アプリの起動は[Windows] キーを押してから、アプリ名の先頭の文字を入力してアプリを見つけるのでしたね。覚えていたでしょうか。ここでは例としてエクセルを開くので、先頭の文字は「E」を入力します。

 [Alt] + [1]キーを何回か押すと、保存場所が「デスクトップ」になります。次に「ファイル名」欄に任意の名前を付けて[Enter] を押せば、ブックをデスクトップに保存できます。

最前面のウィンドウのサイズは、[Windows]と上下左右の矢印キーで変えられます。最初に[Windows] + [→] キーを押してみましょう。最前面のウィンドウが画面の右半分のサイズになります。

画面サイズを変える・ウィンドウを左右に並べる

ウィンドウズ10では、複数のウィンドウを開いている状態で[Windows]+ [→] キーを押すと、最前面のウィンドウが右半分になり、キーを離すと同時に、左半分にほかのウィンドウのサムネイルが表示されます。

ウィンドウが表示されたら、矢印キーで選択して[Enter]キーを押せば、そのウィンドウを左半分に並べられます。エクセルで作った表をパワーポイントのスライドにコピーするというように、ウィンドウをまたいだ操作に便利な並べ方です。

ここでは「Windows] + [→] キーでの動きを紹介しましたが、[Windows]+ [←] キーでも同様です。[Windows] + [←] キーを押すと、最前面のウィンドウが左半分になります。

では、[Windows] + [↑] キーを押すと何が起こるでしょう。これには2つの動きがあります。

ウィンドウが右(左)半分の表示になっている場合に[Windows] + [↑]キーを押すと、最前面のウィンドウが画面の4分の1のサイズになります。なお、図のように4分の1になったウィンドウで [Windows] + [↑]キーで最前面のウィンドウを最大化できます。

辞書登録

頻繁に使用する語句を登録して、変換しやすくするには「単語の登録」画面を使います。この画面を呼び出すキーが[Ctrl] + [F7]です。これはマイクロソフト IME で有効なキーで、使い方は次のとおりです。

メールやワードなどで、登録したい語句を入力し、それを選択します。この状態で[Ctrl] + [F7] キーを押してください。

「単語の登録」画面が表示され、「単語」欄に選択した語句が入力されています。「よみ」欄に読みとして使いたい文字を入力し、[Enter]キーを押すと登録できます。図では「かぶ」と入力すると「株式会社」に変換できるように登録しました。

登録した語句は、今後、変換候補に表示されるので変換時間を短縮できます。先ほど登録した語句で確認してみましょう。読みとして登録した「かぶ」を入力して、[スペース] キーを押すと、「株式会社」に変換されます。

文字サイズを変更する

文字のサイズを変える操作は、「フォントサイズ」欄でサイズを選ぶのが一般的ですが、これもキーだけで行えます。この操作が使える主なアプリは、

ワード、パワーポイント、アウトルックです。文字の大きさを変えるには、最初に対象の文字を選択します。範囲選択の方法は選択する範囲の先頭(左端)にカーソルを移動し、[Shift]キーを押しながら[→] キーを押して選択していきます。選択する範囲の末尾にカーソルを移動して、[Shift] + [+] キーで選択してもかまいません。文字を選択したら[Ctrl] + [Shift] + [>]キーを押します。このキーを押すたびに文字が大きくなります。

※本来は[.] キーと表記すべきですが、便宜上「>]キーとしています。

形式を選択して貼り付け

文字やグラフ、図形などをコピーして形式を選んで貼り付けたいことがあります。たとえばエクセルで作成した表をパワーポイントのスライドに貼り付けるときも、図として貼り付ければ、エクセルの書式をそのまま利用できる上に、ほかの人がうっかり編集する心配がありません。一方、エクセルのワークシートオブジェクトとして貼り付けておけば、エクセルで行うのと同じように編集できるので、あとから数値を変えやすくなります。このように、目的や状況に応じて貼り付け方を指定したいときは「形式を選択して貼り付け」画面を使います。この画面を表示するキーは[Ctrl] +[Alt] + [V]です。エクセルの表をコピーして、パワーポイントのスライドに貼り付けるという場面を想定して操作方法を説明します。

エクセルの表を選択して[Ctrl] + [C]キーを押してコピーし、次に貼り付け先のパワーポイントのスライドを選んで[Ctrl] + [Alt] + [V] キーを押します。[Alt]キーを組み合わせるところが、通常の貼り付け ([Ctrl]+ [V])との違いです。

「形式を選択して貼り付け」画面が表示されるので、[Tab] キーを押して、「貼り付ける形式」欄に移動してから、上下の矢印キーで形式を選びます。

貼り付ける形式の選択肢は、コピーしたデータ(文字か図形かなど)や貼り付け先のアプリによって異なります。

クリックでファイルやフォルダーを開けるようにする

ファイルやフォルダーのパスをコピーして貼り付けるだけでも、ファイルやフォルダーの位置がわかって便利ですが、「こちら」のような文字をクリックすると、エクスプローラーでファイルやフォルダーの保存場所が開くようにすれば、さらに使い勝手がよくなります。これを実現するには、パスをコピーしたあと「ハイパーリンクの挿入」画面を開いてハイパーリンクを設定します。「ハイパーリンクの挿入」画面は[Ctrl] + [K]キーで開けます。

まずは、対象のファイルやフォルダーを選択して[Shift] + アプリケーションキー(F10キー)を押し、[パスのコピー]を選んでパスをコピーしてください。

次にエクセル、パワーポイント、アウトルックなどのアプリでハイパーリンクを設定する文字やセルなどを選んで [Ctrl] + [K] キーを押します。

「ハイパーリンクの挿入」画面が表示されるので、「表示文字列」欄に先ほど選んだ文字が入っていることを確認します。次に「アドレス」欄にカーソルがあることを確認して[Ctrl] + [V] キーを押すと、コピーしたパスが貼り付けられます。続いて[Enter] キーを押してください。最初に選択した文字にハイパーリンクが設定されます。この文字をクリック(または[Ctrl]+クリック)すると、ファイルやフォルダーが開きます。

「ハイパーリンクの挿入」画面を開く [Ctrl] + [K]は、「Link」の「K」と覚えるとよいでしょう。

終わりに

なぜ、ショートカットキーやキーボードの学習を軽視する組織が多いのか?

日本は、製造業が占める割合が高いこともあり、KAIZEN という言葉が国外でも通用するほど、改善意識が高い国です。工場部門では、1秒たりともムダを生まないように組織的に改善を積み重ねています。

内勤部門でも、同様の改善意識がある組織は多い一方で、即効性の高い、ショートカットキーの学習を重要視している組織を見たことがありません。

ショートカットキーは言い換えれば、生産性の高い操作です。つまり、これを重要視しないということは、生産性の低い操作を組織全体として許容していることになります。これはなぜなのでしょうか?私の結論としては、「①計測する方法がないと思い込まれている」、「②超人的なスキルと勘違いされている」、この2点だと考えています。

①は、習得数を計測するだけでも十分です。②については、キーボード起点でロジカルに学習していけば、誰でも習得できると年齢が高い層にも丁寧に伝えていけば意識を変えていけると考えています。皆さんも周りの方も巻き込んで、「組織の生産性向上」にも挑戦してみませんか。